見守りサービスと、介護保険を使ったサービス(訪問介護やデイサービスなど)は、別物として考えられがちですが、実際には併用している家庭も多くあります。それぞれの役割の違いを整理します。
役割が違うので、そもそも競合しない
介護保険サービスは、要介護認定を受けた方が対象で、身体介護や生活援助など「人の手による支援」が中心です。一方、見守りサービスは機器を使った「異変の察知」が役割で、対象年齢や要介護度に関係なく利用できるものがほとんどです。両者は競合するというより、補い合う関係にあります。
要介護認定を受けていない段階でも使える
介護保険サービスは要介護・要支援の認定が前提になりますが、見守りサービスは民間サービスのため、認定の有無に関わらず契約できます。「まだ介護保険を使うほどではないけれど、離れて暮らす親のことが心配」という段階で先に見守りサービスを導入し、必要になったタイミングで介護保険サービスを追加する、という順番で進めている家庭も多いようです。

併用する場合に気をつけたいこと
訪問介護のスタッフが出入りする時間帯と、見守りサービスの通知(人の動きを検知するタイプなど)が重なると、誤って通知が届くことがあります。ケアマネジャーやヘルパー事業所に、見守り機器を導入している旨を一言伝えておくと、不要な混乱を避けやすくなります。デイサービスや訪問介護の利用が始まると、それまで見守り機器に頼っていた時間帯の一部を介護保険サービスがカバーしてくれるようになるため、見守り機器で確認すべき内容が「日中の様子」から「夜間や訪問がない時間帯の様子」へと変わることもあり、利用開始のタイミングで運用方法を見直すとよいでしょう。

地域包括支援センターにも相談してみる
「介護保険を使うべきかどうか分からない」という段階でも、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談すれば、現状に合ったサービスの組み合わせについて助言を受けられます。見守りサービスの利用状況も含めて相談すると、要介護認定の申請タイミングや、利用できる公的サービスについて、より具体的なアドバイスをもらいやすくなります。どこに相談すればよいか分からない場合は、まず居住地の市区町村役場の高齢福祉担当窓口に問い合わせると、担当の地域包括支援センターを案内してもらえます。対応の丁寧さや相談のしやすさには地域差があるとされているため、最初に相談した窓口の対応に不安を感じた場合は、別の窓口や担当者に相談し直すことも選択肢の一つです。
費用面でも役割分担を意識する
介護保険サービスは自己負担割合(通常1〜3割)が決まっている一方、見守りサービスは介護保険の給付対象外の「保険外サービス」にあたり、費用は基本的に全額自己負担です。両方を併用する場合、月々の総額がどれくらいになるかを事前に試算しておくと、後から家計を圧迫することを防げます。介護保険の限度額を使い切ってしまっている場合は、見守りサービス側で補える部分がないか検討するのも一つの考え方です。一部自治体では見守りサービスに独自の助成制度を設けている場合もあるため、介護保険の枠組みとは別に自治体独自の高齢者福祉施策も確認しておくと、負担を抑えられる可能性があります。

ケアマネージャーとの連携、定期的な見直し
見守り機器を導入したことをケアマネージャーに伝えておくと、ケアプランを検討する際の参考情報として活用してもらえることがあります。生活リズムのデータや通知履歴を共有できるサービスであれば、日々の様子を客観的な情報として伝えられるため、専門職との連携がスムーズになる場合もあります。見守り機器で気づいた変化は、連絡帳やメールなど記録に残る形でその都度ケアマネージャーに報告しておくと、情報が埋もれにくく、ケアプランの見直しにも反映してもらいやすくなります。介護保険のケアプランは定期的に見直されるため、このタイミングに合わせて見守り機器の役割も再確認しておくと、両者の間で情報が重複したり抜け落ちたりすることを防ぎやすくなります。
申請のタイミングは早すぎて困ることはない
見守りサービスで異変に気づいたことをきっかけに、申請を検討し始める家庭も少なくありません。次は、きょうだいがいる場合に費用や管理をどう分担するかについて考えます。



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