見守りサービスを比較していると、必ずといっていいほど「Wi-Fi」という言葉が出てきます。
カメラ型はWi-Fi接続が前提、センサー型も設置に電源とWi-Fiが必要な機種が多い、といった説明を何度も見かけたはずです。
ところが、いざ実家の通信環境を思い浮かべてみると、「そもそも固定回線を契約しているかどうかも分からない」という方は意外と多いのではないでしょうか。
機種の比較を始める前に、まず実家の通信環境を確認しておくと、後から「せっかく契約したのに使えなかった」という事態を避けやすくなります。
この記事では、実家にWi-Fi・光回線がない、または通信環境がよく分からないという場合に、どう考えて見守りサービスを選べばよいかを整理します。
まず確認したいこと、実家にWi-Fi(固定回線)はあるか
親と離れて暮らしていると、実家の通信環境を正確に把握できていないことは珍しくありません。
まずは、思い込みではなく実際の状況を確認するところから始めます。

「固定回線がある」の具体的な見分け方
実家に光回線やケーブルテレビ回線が引かれているかどうかは、いくつかの手がかりで確認できます。
- 壁や電話機の近くに、ランプの点灯するルーターらしき機器が置かれているか
- 毎月の引き落とし明細に「光」「フレッツ」「回線」などの名前を含む請求があるか
- テレビでインターネット動画を見ている、または家族とビデオ通話をしたことがあるか
電話で直接「Wi-Fiある?」と聞いても、親自身が正確に把握していないケースが少なくありません。
帰省したタイミングでルーター機器の有無を実際に目で確認するか、契約書類・請求明細を一緒に確認するのが確実です。
電波が入りにくい・弱いエリアかどうかも合わせて確認する
固定回線の有無だけでなく、スマホの電波状況も見守りサービスの選択に影響します。
帰省したタイミングで確認したいのは、まずアンテナ表示の本数です。
次に、スマホの速度測定アプリやWebの速度測定サイトで、実際に何Mbps出ているかを測っておきます。
この数値は、後で選ぶ見守り機器のタイプによって必要な水準が大きく変わります。
カメラ型は映像データを常時または頻繁に送信するため、目安として下り1〜3Mbps程度は安定して出ていないと、映像が途切れたり画質が粗くなったりすることがあります。
一方でセンサー型は「反応があった」という軽い通知だけを送る仕組みのため、1Mbpsに届かない速度でも実用上大きな問題にならないケースがほとんどです。
実家で測った数値が数Mbps程度あれば、カメラ型・センサー型どちらを選んでも通信面で困る可能性は低いと考えてよいでしょう。
見守りタイプ別、通信環境への依存度の違い
見守りサービスの3タイプの違いで紹介した各方式は、通信の仕組みという観点で見ると2つのグループに分かれます。

Wi-Fi接続が前提になりやすいタイプ(センサー型・カメラ型)
センサー型・カメラ型の多くは、実家のWi-Fiルーターを経由してインターネットに接続し、家族のスマホへ情報を送る仕組みになっています。
実家に固定回線がない場合、このタイプはそのままでは導入できません。
ただし、センサー型の一部には、専用の通信ゲートウェイ機器がSIMカードを内蔵しており、Wi-Fiがなくてもそのまま使える製品もあります。
たとえば予算別ランキングの記事で紹介している「ネコリコ まもりこ(第2世代)」は、冷蔵庫の開閉をセンサーで検知するタイプで、月額550円(税込)で利用できます。
センサー本体がLTE通信を行うため、自宅にWi-Fi環境がなくても使える点が特徴で、実家に固定回線がない場合の候補になります。
比較検討する際は「Wi-Fi接続タイプ」なのか「独自通信タイプ」なのか、製品説明のどこかに必ず記載があるため、見落とさず確認しておきたいポイントです。
独自の通信網(SIM内蔵)で完結するタイプ(GPS端末型・一部スマートウォッチ型)
GPS端末型の料金プランと精度で触れたとおり、GPS端末には専用SIMが内蔵済みのタイプと、自分でSIMを用意するタイプがあります。
このタイプは携帯電話の通信網をそのまま使うため、実家にWi-Fiがなくても、そもそも接続の心配自体がありません。
実家の通信環境に自信が持てない場合、まずSIM内蔵タイプに絞って比較すると、選択肢を大きく減らさずに導入のハードルを下げられます。
Wi-Fiの新規手配や設定作業そのものが不要になるため、機械の操作に不安がある家庭ほど相性のよい選び方です。
Wi-Fiがない実家に導入する場合の3つの選択肢
固定回線がないと分かったところで、選択肢はひとつではありません。
工事も契約も増やさず今の環境のまま導入できる機器を選ぶ道もあれば、この機会に実家のネット環境ごと整える道もあります。
まずは3つの選択肢を、初期費用・月額の目安・工事の要否・使い始められるまでの日数・向いている家庭という5つの軸で比較します。
| 選択肢 | 初期費用 | 月額の目安 | 工事の要否 | 使い始められるまで | 向いている家庭 |
|---|---|---|---|---|---|
| ①モバイルWi-Fiルーター | 本体代0円のプランが多い | 3,000円台〜4,000円台程度 | 不要 | 契約したその日から | すぐに使い始めたい家庭 |
| ②光回線の新規契約 | キャンペーンで実質無料の事業者が多い | 事業者により差があるが、①よりやや高めになりやすい | 必要(2年契約などの縛りがある場合も) | 工事完了まで数週間かかることも | 動画視聴・ビデオ通話も含め本格的に整えたい家庭 |
| ③SIM内蔵タイプの機器に絞る | 機器本体代のみ | 機器の月額料金に通信費が含まれる | 不要 | 機器が届き次第すぐ | 工事や固定費の追加を避けたい家庭 |
数字だけを見ると③が最も手軽に見えますが、映像を直接確認したいという希望が強い場合は①や②が選択肢の中心になります。
選択肢1:モバイルWi-Fiルーターを新規に用意する
持ち運びできる小型のモバイルWi-Fiルーターをコンセントに挿しておくだけで、実家の中に簡易的なWi-Fi環境を作れます。
工事が不要で、契約したその日から使い始められる手軽さが利点です。
月額料金はサービスによって幅がありますが、一般的な相場としては月々3,000円台〜4,000円台程度のプランが多く見られます。
見守り機器のためだけに新たな固定費が発生する点は、あらかじめ家計に織り込んでおく必要があります。
契約期間の縛りがなく月額1,800円台から利用できるモバイルWi-Fi「MONSTER MOBILE」(公式サイト)のような格安プランを選べば、実家用のWi-Fi環境を新設する場合でも固定費の負担を抑えやすくなります。

選択肢2:光回線を新規契約する
もともと固定回線を検討していた、あるいは動画視聴やビデオ通話も含めて実家のインターネット環境を整えたい場合は、光回線の新規契約という選択肢もあります。
工事費については、キャンペーンで実質無料になっている事業者が多い一方、2年契約などの縛りがあるプランも一般的なので、契約条件は事前にしっかり確認しておきたいところです。
賃貸住宅の場合、回線を新たに引き込む工事に貸主の許可が必要になることがあります。
物件によっては配管の都合で光回線の新規工事自体ができないケースもあるため、契約前に管理会社・大家さんへの確認を済ませておくと、後になって工事できないと分かる事態を避けられます。
賃貸・持ち家別の設置のしやすさについてはこちらの記事でも詳しく取り上げています。
一般的に、光回線は申し込みから開通まで1ヶ月前後かかることが多く、引っ越しシーズンにあたる3〜4月は工事の予約が混み合い、2ヶ月近く待つケースもあります。
見守りサービスの導入を急いでいる場合は、この開通までの日数を見越して、その間だけモバイルWi-Fiルーターを併用するという選び方も現実的です。

選択肢3:通信環境を選ばないSIM内蔵タイプに絞る
新たに固定費や工事の手間をかけたくない場合は、前述のとおりGPS端末型やSIM内蔵タイプのセンサー型に絞って比較する方法が現実的です。
Wi-Fi環境を新設するコストと、SIM内蔵タイプを選ぶことで実現できる導入のシンプルさを、一度天秤にかけて考えてみるとよいでしょう。
カメラ型のようにその場の映像を直接確認したいという希望が強い場合は、Wi-Fi新設が避けられない選択になることもあります。
「何を防ぎたいか」という優先順位に立ち返って、通信環境の整備にどこまでコストをかけるかを判断する流れになります。
電波が弱い地域・古い住宅特有の注意点
固定回線の有無やタイプを絞り込んでも、その先で電波そのものが弱いというもう一段階の壁にぶつかることがあります。
ここではキャリアごとの違いと、実際に機器を置く部屋での確認方法を整理します。

通信会社(キャリア)ごとの電波の入りやすさの差
SIM内蔵タイプの見守り機器は、製品ごとにどの通信会社の回線を使っているかが決まっています。
同じ実家でも、通信会社によって電波の入りやすさに差が出ることがあります。
実家で普段使っているスマホがどの通信会社の回線で快適に使えているかを事前に確認しておくと、選ぶ製品の参考になります。
実家で使っているスマホと同じ、あるいは相性のよい通信会社の回線を使った製品を選ぶと、電波状況のミスマッチを避けやすくなります。
鉄筋コンクリート・地下・奥まった部屋での電波の弱まり
玄関先で電波が3本立っていても、機器を置く予定の部屋(奥まったリビングや地下、鉄筋コンクリート造の集合住宅など)では1本しか立たない、ということも珍しくありません。
Wi-Fiルーターを利用する場合、まずルーター自体を機器の近くに置き直せないか検討し、それが難しければ中継機の追加を考える、という順番で対策すると無駄が少なくなります。
導入前に確認しておきたいこと
ここまでの内容を踏まえて、契約前に確認しておくと安心な項目をまとめておきます。
- 実家に固定回線(光回線・ケーブルテレビ回線など)があるか、だいたい把握している
- 検討している製品が「Wi-Fi接続タイプ」か「SIM内蔵タイプ」か、なんとなく判別できる
- 実家で使っているスマホの電波状況を、実際に確認したことがある
- Wi-Fiを新設する場合の月々の負担額が、ざっくりでも頭に浮かぶ
- 返品・返却の条件を、契約前に確認するつもりでいる
すべてを完璧に把握してから動く必要はありませんが、なかでも「検討している製品がWi-Fi接続タイプかSIM内蔵タイプか」の1点だけは、契約前に必ず判別しておきたいところです。
この1点を見落とすと、実家に固定回線がないままWi-Fi接続タイプを契約してしまい、届いた機器がそのままでは使えないという、最も避けたい事態につながります。
まとめ:機種選びより先に、通信環境の把握から
見守りサービス選びは、つい機能や価格の比較から入りがちです。
しかし実家の通信環境という土台を確認しないまま製品を決めてしまうと、せっかく選んだ機種が実家では使えなかった、という遠回りにつながります。
固定回線の有無、そして映像を直接見たいかどうかという2つの軸で整理すると、選ぶべき方向性は次のように絞り込めます。
| 映像を直接見たい | 映像は不要(通知だけでよい) | |
|---|---|---|
| 固定回線あり | カメラ型をそのまま導入できます | センサー型をそのまま導入できます |
| 固定回線なし | 光回線の新設、またはモバイルWi-Fiルーターの用意が必要です | SIM内蔵タイプ(GPS端末型・センサー型)に絞ると導入が最も手軽です |
費用の全体像を確認したい場合は年間コストのシミュレーション記事、日々の点検習慣については見守り機器の日常点検についての記事もあわせてご覧ください。


コメント